岡山市の東端、瀬戸町にある小規模多機能ホームみえさんちの家です。
在宅介護で生活しているご高齢の方を対象に、地域密着型の介護サービスを行っています。
私たちの事業所では「小規模多機能型居宅介護」及び「介護予防小規模多機能型居宅介護」という種類の事業を行っています。
このページでは「小規模多機能型居宅介護」とは(とても長い名前ですが)どんな特徴があり、メリット・デメリットは何かをわかりやすくご案内します。
目次
1. 小規模多機能型居宅介護の特徴を2つ
小規模多機能型居宅介護には、大きく分けて2つの特徴があります
- 在宅介護サービスである「通所」「宿泊」「訪問」を同一の事業者が行う
- 利用料金は月額の定額制である
1.1 異なる介護サービスを同一の事業所で利用できる
在宅介護は、利用する方やご家族の状況の変化に応じ「通所(デイサービス)」、「訪問(ホームヘルプ)」、「泊まり(ショートステイ)」と複数あるサービスを併用する必要があります。
それぞれのサービスを複数の施設で利用すると、施設探し・契約・人間関係の構築もそれぞれに行う必要があります。
それは利用する方にとっても、ご家族にとっても、大きな負担になります。
住み慣れた地元で、全てのサービスを同一の事業所で利用できるのが「小規模多機能型居宅介護」です。
長い名前は、小規模・多機能・居宅というキーワードが含まれており、複数のサービスをひとつの事業所に集約し利用できる仕組みをあらわします。
1.2 利用料金は月額の定額制である
複数の介護サービスを利用しても、利用料金は介護認定に準じ、一定の月額制です。
ただし、宿泊代や食事代などは別途計算されます。
小規模多機能型居宅介護を利用できるのは、要介護1から要介護5までの介護認定を受けている方です。
要支援1から要支援2の方は、介護予防小規模多機能型居宅介護を利用できます。
事業所単位でそれぞれのサービスについて、1日あたりの定員が決まっており、利用回数は定員数を超えなければ制限がありません。ひと月の間に何度でも利用できます。
2. 小規模多機能型居宅介護のメリット
2.1 地域密着型である
小規模多機能型居宅介護は地域密着型のサービスであるため、お住まいの地域にある事業所を利用します。
介護が必要になっても、長年住み慣れた地域で毎日を過ごしたい利用者の希望をかなえます。
2.2 ひとつの事業所で全てのサービスが利用できる
異なるサービスを組み合わせても、一定の月額制料金となります。(宿泊代・食費は別途)
複数の事業所を探す必要がなく、契約もひとつですみます。
2.3 顔なじみのスタッフが対応する
通所や泊まりなど異なるサービスであっても、顔なじみになっているスタッフが対応するのでとても安心です。
今は通所しか利用していなくても、将来的に重度になったりご家族の状況に変化があったりして、泊まりが必要になるかもしれません。
サービスの種類によって別々の施設を利用すると、環境もスタッフも変わります。
せっかく慣れているスタッフや仲良くなった他の利用者と、離れることを強く不安に感じる方もいます。
小規模多機能型居宅介護は小規模であるため、利用者の方の心に寄り添った対応ができます。あたたかく家庭的な環境で和やかに過ごすことができます。
2.4 状況に応じ、柔軟に対応できる
短時間通所や、泊まりへの切り換えなど、対応が柔軟です。また回数も制限なく利用できます。
こうした対応の柔軟性は、介護をされているご家族の負担を軽減します。
3. 小規模多機能型居宅介護のデメリット
3.1 事業所専属のケアマネジャーに変更する
小規模多機能型居宅介護サービスを開始すると、事業所専属のケアマネジャーに変更する必要があります。
ケアプランは事業所専属のケアマネジャーが作成します。
なじみのケアマネジャーさんを離れ、変更になってしまいます。ご注意ください。
3.2 サービスによって部分的に事業所を選ぶことができない
小規模多機能型居宅介護を登録していると、介護保険を使って他の事業所が行う居宅サービス・地域密着型サービスを利用すること・併用することはできません。
(ただし、訪問看護・訪問リハビリ・住宅改修・居宅療養管理指導・福祉用具貸与についてはご利用可能。)
まとめ
いかがでしたか。
小規模多機能型居宅介護の特徴をご理解いただけましたか。
- 訪問・通所・宿泊を地域のひとつの事業所に集約している
- 定額で利用できる
メリットは
- 住み慣れた地域に密着していること
- 複数の施設と契約をしなくてもよいこと
- サービスが変わっても顔なじみのスタッフが対応してくれること
- 対応が柔軟であること
デメリットは
- 事業所専属のケアマネジャーに変更する必要があること
- 他の事業所と併用できないサービスがあること
あらかじめ、「どんな事業を行っている施設なのか」を理解しておくことで、これからどのサービスを利用するか、どれが自分たち家族に合っているのかを考える重要な判断材料になります。
施設選びには、サービスの質や働いているスタッフの人柄、施設の安全性など他にも配慮が必要なことがたくさんあります。
見学や、無料体験などの機会を利用して不安なこと、疑問に感じることをしっかり問合せて解消しておきましょう。